一見矛盾しているように見えるかも知れません。株、デイトレードというのは常に「イマ」と向かい合うわけであり、その「イマ」を大切にすることでリカクやロスカットをするように思います。
しかし本当にそうでしょうか。
リカクはまだしも、ロスカットが出来なくなって困るケースは誰しも多いはずです。
そのロスカットが出来なくなる原因こそ「イマ」に縛られているからかも知れません。
もくじ
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現在志向主義で考えるデイトレードとは
将来のことを考えて行動する未来志向に対して、現在志向は今を大事にします。この言葉自体なかなか聞くことはありませんが、まさに書いて字のごとく意味はそのままになります。
私は大学の講義で初めて聞きました。その時はタバコの例が出ました。
経済学の講義でしたが、タバコを吸う人は今を重視する現在志向主義と言われ、健康を気にしてタバコを吸わない人は現在より将来、未来を重視する未来志向主義なのだと習いました。
あくまで単なる例に過ぎないので、タバコが最初から嫌いな人は?という考え方はナシです。
デイトレードはちょくちょくこの現在志向が前面に押し出された内容になります。
デイトレでは「全ての投資機会で利益を出そうとしない」というのは鉄則です。
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相対的に勝つという考え方は何より大事とも言えます。相対的に勝つというのは未来志向主義の考え方に近く、全ての投資機会で利益を出そうというのは現在志向主義の考え方に近いものです。
これらは多くの人がわかっていながら出来ないことになります。
このような考え方になってしまう流れを見ていきましょう。
現在志向型デイトレードの流れ
- 上がると思って買う
- 下がったことでナンピンする
- ロスカットすべきだと感じたもののホールド
- 経験上ここでロスカットしないと負ける時は大損になると感じる
- 復活の可能性に賭けてホールドorさらなるナンピン
これは2番の時点ですでに現在志向主義の悪い傾向が出ています。
性質上、許されるナンピンというのは2パターンしかありません。1つは株価が下がっていく中で底が読み切れないから尻尾はくれてやれと分割買いをし、下がれば買い増すナンピンです。
もう1つは押し目を作っても上昇トレンドを持続すると考えて買い増すタイプのナンピンです。言わば両方とも少し長い目で見た未来志向主義に近い考え方でのナンピンになります。
余談ですが、私が行っているナンピンは決して正しいナンピンとは言えないと思います。
逆張りデイトレードにおいては、『一連の流れの中でナンピンする』場合に限り、超短時間勝負でうまくいくケースが多いので、一連の流れの中限定で正しいと言えるナンピンをしているつもりです。
話を戻しましょう。
今回は1番で上がると思って買っています。それが下がったことでナンピンをする。
これはいきなりの想定外であり、予定外の行動です。
現在志向型デイトレードは『今回』の積み重ね
なぜ、2番のようなナンピンをしてしまうのでしょうか。
それは『今回』助かるためですね。そのナンピンが良いナンピンか、悪いナンピンかという判断どころか、そういう考えさえしないでナンピンしているケースが多いでしょう。
言わば衝動的な行動に近いはずです。そしてここまでならまだ逃げることも出来ます。
しかし3番、4番で自分の経験がきちんと警告を出しています。
今まさにロスカットをしなければ大変なことになる可能性が高いのだと。つまり相対的に見てまずいことになるという警告が他ならぬ自分の中から発されていることになります。
1番での買いが順張りだろうと逆張りだろうと、この流れになってくれば全て逆張り扱いです。下がっていくものにナンピンで買い向かうのであれば押し目だろうと完全に逆張りになります。
下げ続ける株はないと言われるように(実際はある)、逆張りナンピンでは助かってしまうケースが往々にしてあります。逆張りの勝率が高いのもこのためです。
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しかしこのような現在志向型の逆張りデイトレードで負け続ける人が多い理由は、実際に下げ続ける株と遭遇した時に起こるドカン負け時、想像を絶するような、コツコツ型が1か月かけて稼ぐくらいの金額を一発でロスカットするからです。
そしてそういう思考に流れてしまう理由は『今回だけは』助かりたいという自分勝手な願望の積み重ねによるものです。
幸か不幸か助かる可能性が高くなるため、ついつい助かった時の記憶が強く残ります。また、助かった時、生還した時の安堵感は大勝ち時、大成功時と同様のアドレナリンが出ます。
その快感を求めてしまう一面もあるのでしょう。
結局今回だけは助かりたいと願って5番の行動を取り、本当に助かった場合、次も同じように今回だけはと願うでしょう。永遠に積み重ねる『今回だけは』・・・。
ハッキリ言ってそんなんで勝てるなら誰だって勝てます。
この言葉は重いと思います。そして説得力もあるはずです。どうしてもそういう風に現在志向主義の行動を取りたくなりますし、助かる確率も高くなっているのもわかります。
それでもデイトレで勝てる人はとても少ないのです。
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ここからつながる言葉ですよね。そんなんで勝てるなら誰だって勝てるというのは。
そんなんでは勝てないから皆負けているのです。
未来志向主義のデイトレードで勝ち組の思考を
『今回』にこだわる現在志向主義型デイトレードに対して、未来志向主義型デイトレードでは未来を想像することに重点を置きます。あまりこんなことを考える人はいないかも知れません。
しかし私自身、この未来志向という考え方を意識してから大きく変わりました。
- 今回助かったからと言って何の意味がある
- ここで1万円多く勝ったからと言って何の意味がある
- ここで手数料をケチって何の意味がある
- 今日の勝ちや連勝にこだわって何の意味がある
- 今日の負けを頑なに拒んで何の意味がある
デイトレ中、おかしな行動を取りそうになる度このような言葉を自分に言いました。
確かに全然意味のないことばかりなのです。
現在志向主義で考えれば全て意味があるものですが、未来志向主義に置き換えれば無意味も無意味、むしろ悪い方に出るようなことばかりです。
現在志向主義
- 今回助かることにこそ意味があり、その積み重ねが未来となるはず
- 1万円多く取れる可能性があれば毎回取りにいく
- 手数料負けも負けだから嫌だ、勝ちにこだわる
- 今日も勝ち、明日も勝って毎日勝ちたい
- 負けは受け入れられない
未来志向主義
- 今回助かっても将来大負けする危険が増すのでロスカット対処でその後上がっても気にしない
- 無理に1万円多く取るより、明日の朝ならもっと楽に1万円を取れるだろうからパス
- 手数料負けでも切れれば次のチャンスを探す視界が広くなる
- 連勝にこだわって投資スタイルが崩れたら立て直しに時間がかかるだろう
- 良い負け方は未来の財産となるはず
1~5番を対比させてみました。実際には未来志向主義と言ってもここまで完璧に悟りを開いたような考え方なんて出来ません。私もすぐにグレーゾーンの仲間入りしてしまいます。
しかし完全なるグレーではなく、黄枠の気持ちが少しでも混ざっていれば違ってきます。
例えばロスカットにしても断固拒否ではなく、半分、いや3分の1でもロスカット出来たのであれば3分の1だけ未来志向を取り入れられたことになります。
デイトレードを仕事にするなら10年後まで見据える
一発勝負のギャンブルや短期勝負であれば現在志向主義の考え方が当たり前です。
『今回』勝つことにこそ意味があるわけですからね。
デイトレに関しても、趣味であったり、サラリーマンがゴールデンウィークなど短期間のデイトレチャンスに楽しんで勝負するような場合は『今回』の勝ちにこだわる意味もあるでしょう。
しかし専業だろうと兼業だろうとデイトレを、株を仕事としてやっていくのであれば本当に現在志向は害です。
例えば今日2万円勝った場合と1万円負けた場合、その差は3万円ですね。
今日に限れば大きな差に感じられるかも知れません。
では1年後、10年後を考えた時、その3万円の差に何の意味があるのでしょうか。ハッキリ言って超誤差の範囲内です。ですから今日の勝ちにこだわる意味など何もないはずです。
もしも今日勝った2万円がナンピンなど無理なやり方をして勝ったものであれば、1年後を考えた時、大きなマイナスに作用する可能性だってありますし、退場につながる可能性もあります。
長くやっていくのであれば、間違った勝ち方よりも正しく負ける方に価値があります。
連勝にこだわる場合も、結果的に続く連勝であれば良いと思いますが、無理やナンピンをしたり、それが数百円くらいプラ転したところでリカクして無理矢理続ける連勝には何の意味もありません。
それにその連勝は誰かに認められるわけでもなく、単なる自己満足に過ぎません。
モチベーションという考え方においてはいいかも知れませんが、無理をする要因にならないよう注意する必要があります。
現在志向主義を捨てるのはかなり難しいと思いますが、デイトレを仕事としてやっていくのであれば是非この現在志向主義を捨て、未来志向主義のデイトレーダーを目指して下さい。
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まとめ
いかがだったでしょうか。いきなり変わるのは難しいですが、ロスカットすべきかどうか、ナンピンしても良いかどうか悩んだ時にはこの現在志向、未来志向のお話を少し思い出してみて下さい。
未来志向型になれば見える景色が変わってくるかも知れませんよ。