デイトレーダーという職業はどうしても世間から見ると「楽して稼いでいる仕事」「不安定な仕事」という2つの強烈なイメージになります。しかしそれはあくまで外野の印象に過ぎません。
同じ土俵に立っていない人間が、勝手な情報と勝手な想像で作り上げたイメージです。
では、そんなマイナスイメージの株デイトレーダーという職業の平均年収とは、その中央値とはどのくらいのものなのでしょうか。サラリーマンと比較して考えてみましょう。
もくじ
デイトレーダーの印象とは
- 楽して稼いでいる
- 不安定な仕事
先ほど書いたように、どうしてもこのイメージがつきまといます。そしてそれは、デイトレーダーではない人が勝手に抱いたイメージに過ぎないのです。
もし本当にそのイメージのようにデイトレーダーという職業が楽して稼げる職業なのであれば、遠慮せずにデイトレーダーになればいいのです。
断言出来ますが、「デイトレーダーは楽して稼いでいる」と文句を言っている人に「じゃぁデイトレーダーになれば?」と言っても、誰もその決断を出来ないでしょう。
結局のところ・・・
- 隣の芝生は青く見える
- 青い芝生を茶色と言いたい
それだけのことです。そういうイメージではなく、正しい情報を知りましょう。
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。
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「不安定な職業」というイメージについては、否定しませんが、肯定もしません。デイトレーダーとひとくくりに言っても十人十色であり、色んなタイプのトレーダーさんがいます。
本当にコツコツと安定して稼ぐ人もいれば、大勝ちや大損を繰り返している人もいます。
ですから、この部分に関しては、人それぞれだと思います。
株デイトレーダーの平均年収とは
こちらの平均年収という点は、結論から申し上げて全く参考にならないと思います。
まず、トレーダー一本で生活をしている専業トレーダーと、他に職業を持つ兼業トレーダーでは全然違ってきます。当然稼がなければいけない金額も大きく違ってくるわけです。
この専業トレーダーと兼業トレーダーでは、生存率も大きく異なってきます。
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また、専業トレーダーは性質上、うまくいかないと早々に退場を迫られます。そのため、平均値を下げる要因となる人はすぐにいなくなり、天才肌のトレーダーが平均を大きく上げます。
1人で何億、何十億と稼いでしまう人もいるので、平均となるとかなり上がってしまうのです。
様々なアンケートを見ると、大体月収100万円弱、年収1000万前後に落ち着いているのが現状ですが、実際の平均値という意味ではもっと高くなると私は思います。
しかし、繰り返しますがこれはあくまで一握りの天才トレーダーが大きく引き上げた平均値になるため、デイトレーダーになりたいと考える人が参考にしていい数値ではありません。
では、何を参考にすればいいのでしょうか。
デイトレーダーの年収・中央値とは
参考にすべきは平均よりも中央値です。中央値というのは、上からと下からを同時に見ていき、その中央に位置する人だけを参考にする見方のことです。
例えば100人のトレーダーを参照した際、中央値というのは年収ランキング50位と51位の人になります。その2人の数値のみを参考にするのが中央値という見方になります。
例えば100人いて、プラスマイナス0の人、つまり年収0円が99人いて、年収100億円という人が1人いたとします。その場合の平均年収と中央値を見てみましょう。
平均年収
(0×99+100億)÷100=1億円
中央値
50位、51位はともに0円なので0円
このようになり、より現実を見ることが出来るのは中央値というのがわかると思います。
そしてこの中央値ですが、ほぼ確実にマイナス域になります。
デイトレーダーというのは9割以上が負けるという統計があります。もちろん相場の良い時は簡単に勝てたりもしますが、職業として何年、何十年ものスパンで見た時、きちんとプラス収支を続けられる人というのは本当に限られてしまうのです。
ですから中央値を見た時は、ほぼマイナスとなってしまうのです。
デイトレーダーを目指す上ですべき覚悟
以上のことから、平均という概念には目をつむり、「自分の順位」というものに目を向けることが大切です。学生時代の定期考査(中間テストや期末テスト)を思い出して下さい。
クラス40人の中での自分の順位が出されたりしましたよね。
この順位で5位以内に入るような感じでないと、トレーダーという職業として成功する可能性はないということです。特に専業トレーダーというのであれば、3位以内でないと厳しいでしょう。
自分がデイトレーダーという土俵において、その位置に必ず入るのだという強い意志を持ち、本当に結果も残す。そうでなければデイトレーダーとして生き残ることは出来ません。
この事実だけを見ても、デイトレーダーという職業がいかに厳しいかわかると思います。
もちろん、私のような兼業デイトレーダーであれば、そのハードルは大きく下がります。クラス順位で10位くらいに入れていれば生き残れるくらいのものだと思います。
3位や5位に入れる自信があれば専業トレーダーを、それは無理でも10位くらいなら・・・と思うのであれば兼業トレーダーを目指してみるのもアリかも知れませんね。
ただ、これらの現実はきちんと知った上で目指すようにしましょう。
どうしても楽して稼いでいるイメージが強いせいか、デイトレーダーという職業はなりたい職業ランキングで上位に入りやすいですからね。現実を知った上でのアンケートなら上位にくることなんてありえないと思います。
私が兼業デイトレーダーになった理由
私も元々は専業トレーダーになりたいと思い、実際に専業トレーダーをしていました。当時は専業トレーダーとして300万弱の年収でしたが、独身でしたので、十分に暮らせていました。
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そこで少し背伸びをしたトレードなどもしましたが、やはり無理をするとバランスが取れなくなり、大負けしてしまうケースも増え、うまくいかなくなってしまいました。
そこで3位、5位以内を諦め、10位を目指すかのように兼業トレーダーになりました。
本当は専業トレーダーとしてやっていきたかったのですが、自分の器では無理だと悟ったのです。このように自分のことを客観的に見て、理解することもデイトレにおいて重要だと私は考えます。
同年代のサラリーマンは少しずつ年収も上がっていきます。
「おまえ、デイトレーダーなんてやってんの?」
そんなことを言ってくる友達はいませんが、仮にそういうことを言われても
「おまより年収はるかに上だからな。しかも自分の時間もたくさん持てるし」
と言い返せるようになりたくてデイトレーダーになろうと考えました。
現実を見ると、良かった年で700万円程度の年収でしたし、安定して数百万円は毎年勝てているけれど、専業トレーダーになるには無理がある成績しか残せていません。
しかし、子どもとの時間を含め、趣味に使える時間なども非常に多く、充実した生活が出来ています。
これもデイトレーダー様様ですね。
デイトレーダーでサラリーマンの年収を上回る人は、ほんの一握りしかいないでしょう。しかし同等か、それに近いくらいの年収を目指すのであれば、そこそこの人数はいるはずです。
しかしサラリーマンと比べて安定しないのは事実です。
デイトレーダーを目指すのであれば、どのようなタイプのデイトレーダーになりたいのかというのもきちんと考えてから目指すようにするといいでしょう。
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兼業とは言え私はデイトレーダーとして生き残るためにかなり努力をしてきました。
デイトレーダーの平均年収・中央値、そして稼ぐべき金額について動画でもお話しました。
まとめ
いかがだったでしょうか。客観的に見ればズルい職業であったり、社会不適合者のレッテルを貼られるような職業である反面、憧れやなりたい職業でもあるデイトレーダー。
しかしその中身は客観的に見てるだけではわからない部分も多いです。
目指す前に一度どのような世界なのかよく理解するようにしましょう。
お付き合いありがとうございました。