株は分散投資と集中投資はどちらが正解か

今回は分散投資と集中投資の比較についてです。先に結論から言いますと人それぞれとしか言いようがありません。しかしながら集中投資すべき人が分散投資をしているケースもあります。

自分自身がどちらをすべきタイプなのか知っておくのは良いことでしょう。

分散投資のメリットとデメリットとは

分散投資をすると、運の要素を多く排除することが出来ます。指数が読み通りに上昇したものの自分の買った銘柄は上がらなかったという経験も多くあるかと思います。

もちろんこれは運だけの問題ではなく、銘柄選別が良くなかったということでしょう。

ですがもしも分散投資で複数銘柄に投資をしていれば、上がらない銘柄はあったとしても投資先全般で考えれば上昇している可能性は高く、利益につながっている可能性が高いです。

このように全体相場を参考に損益が変動しやすいのが分散投資です。

「これは絶対にいける！自信あり」

こんな時に分散投資をしていると、せっかくの自信ポイントでもいつもと変わらない利益しか得られない可能性もあります。他銘柄が下がって足を引っ張ることだってあるわけです。

ですから分散投資をすると、運の要素が排除出来るメリットがある反面、自信のあるポイントで実際に予想が合ってたとしても大きな利益につなげることは難しいというデメリットがあるのです。

分散投資をする人の特徴とは

基本的にはリスク排除型でコツコツタイプのトレーダーが分散投資を好みます。

言わば一発狙いのようなトレーダーはこの手法を好みません。前述のように1回の投資で大きな利益をあげることは難しいからです。しかしその反面、分析力に優れていれば勝率は相当高くなります。

大きな利益よりも安定した利益を求めるトレーダーはこの分散投資を極めるべきでしょう。

専業トレーダーで、家族を養っている人や兼業トレーダーでも株、デイトレードの利益が生活費を支えている場合にはこの分散投資をしている人が多いように思います。

なかなか都合の良い考え方は出来ないもので、コツコツ稼ぎつつ時には大きな利益を取りたいというのが多くの人が持つ希望だと思いますが、これらの両立は難しいものがあります。

私の場合は兼業デイトレーダーであり、家族の生活を考えると大損を繰り返すリスクは背負いたくないので分散投資型になります。毎日が同じことの繰り返しというのもしんどいですけどね。

時には大きな利益を狙いたくなることもあります。

その場合はそれに見合ったリスクを取る必要があるので、どうしても断念してしまいます。

集中投資のメリットとデメリットとは

集中投資のメリットとしては当たればとんでもなく大きな利益になる可能性があるということです。

私の弟は専業トレーダーですが、心の制御が壊れているのではないかと思うほど一極集中、そしてぶっ飛んだ大ロットでの勝負を繰り返すタイプのトレーダーになります。

例えば100万円の資金を使い、信用取引枠300万円も含めた計400万円を一極集中させたとしましょう。

株価が2倍になれば800万円となり、400万円の利益となります。

100万円の資産がほんの数日で500万円になる可能性を秘めているわけです。

また、その500万で同じことをし、同じく2倍になれば2000万円の利益を得られます。弟が40万円の資金から半年足らずで1億を築いたカラクリはこういう部分が大きいわけです。

ですがこれは言わずもがな、集中投資の『明』の部分です。

弟は1億と言う資産を4回も築いていますが、4回ともその後大きな損失に見舞われています。

さすがに弟もここまでは壊れていませんが、もしも1億円の資産で上記と同じ集中投資をしたとしましょう。計4億円もの購入余力を持ってしまっていることになりますね。

これで株価が25％下がってしまえば1億全てを失います。

悪材料などが出て一気に半分になってしまえば1億円の借金が残る計算です。

これぞ集中投資の『暗』の部分になります。もちろん集中投資というだけでなくこれは信用枠MAXという条件も加わった上での『暗』になるわけですが、メリットがあればそれと同等のデメリットがあることは間違いありません。

集中投資すべき人の特徴とは

これは資金が少ない人です。

弟の例を見ても明らかなのですが、40万を1億に出来るほどの魅力が集中投資にはあります。

しかし資産が増えれば増えるほど、足を踏み外した時に背負う借金の金額は大きくなるという大きなマイナス要素も抱えています。だからこそ資金が少ない人がすべき投資法になるのです。

例えば50万の資金を使って信用取引をするなら約150万円の余力になります。

5銘柄に分散投資をすると1銘柄あたり30万円の投資です。

これでは大きなリターンは得られませんし、何よりどんどんこじんまりとしたトレーダーになっていってしまいます。私は本当にこじんまりとしたデイトレーダーになってしまったと思っています。

悪いことばかりではありませんが、時にはアクセルを踏める方が理想ですよね。

そのためにも資金が少ないうちは集中投資をするべきだと私は考えます。

150万円の余力であっても集中投資さえすれば十分・・・と言いますか十分過ぎるほど大きなリターンが期待出来ます。もちろん同時にリスクも背負うことになるのは忘れてはいけませんが。

よく資金が少ないことを敗因やデメリットとして挙げる人がいます。

しかしこれは単なる言い訳に過ぎません。信用取引が出来ない30万円以下の資産ならまだしも30万円の資金があれば信用取引で90万円以上の余力を持つことが出来るのです。

これだけの余力があれば敗因の言い訳にはならないはずです。

結局どちらが正解か

余裕のある金額は人それぞれですので一概には言えませんが、デイトレードにおいて1日1万円の利益を求めるのであれば50万の余力があれば十分過ぎるほどです。

1日2～3万円の利益を欲する場合も100万円あれば困ることはありません。

言い換えれば1日2～3万円の狙いであれば35万程度の資金を持って信用取引をすればいいわけです。もちろんこれは集中投資をしていく必要があります。

そして資金が100万となり、信用余力が300万円に達したと仮定します。

そこで1日の利益目標が3万円だというのなら、これはもう分散投資にすべきです。

この資金で集中投資を行えば3万円などという目標以上の金額があっという間に上下することになってきます。言わば暴れ馬に乗っていて乗りこなせないようになってしまいます。

また、それに慣れてしまったり、そこでアドレナリンを発してしまえば常軌を逸した、壊れたロットでの大勝負に快感を覚え、それ以下のトレードでは満足出来なくなってしまうかも知れません。

トレードを『仕事』と位置付けてやっていきたいのであればそれは良くないことです。

繰り返しになりますが、これらを使い分けることはなかなか至難の業です。

心のコントロールがうまくいかないからです。

よく行われる議論として、どちらが正義か、どちらが正しいかというものがありますが、資金が小さいうちは集中投資をし、増えてきたら分散投資に回るのが一番だと私は考えています。

まとめ

どうしても議論になると白か黒でハッキリさせたがる傾向にありますが、どちらにも良いところ、悪いところがあるはずです。だからこそどちらのやり方も代表的な手法として残っているわけですからね。

ケースバイケースというほどうまく使い分けは出来ませんが、資金が小さいうちは集中投資でとにかく練習を積み、守るものが出来てきたらリスクを軽減したトレーダーになる。

このような流れが最も自然にデイトレを仕事としていけるのではないでしょうか。

億を掴むような人は時にぶっ飛んだ考え方、思考も必要になるのかも知れませんが、堅実に仕事としてトレーダーを続けていきたいのであれば、このくらいがちょうどいいのかも知れません。

資金を持ちながら集中投資をしていると引くに引けなくなった時、本当に危険ですからね。

今回、株、デイトレードにおいて分散投資と集中投資のメリット、デメリットを確認してきました。これらを踏まえ、自分自身がどのようなトレーダーになりたいのか、きちんと確認しておきましょう。