実はこの議論、熱く語られることがあります。1つ大きな結論は出ていて、これは決して揺らぐことはありません。しかしながらなぜか毎回のように熱い議論になるのです。
今回はきちんと前提条件を整理し、お話していきたいと思います。
もくじ
投資家登録をするだけでアマゾンギフト券2000円がもらえます。このチャンスに
登録だけでも済ませておきましょう。(2か月後くらいにメールで届きます)
コズチ投資家登録はコチラから
両建てに意味があるかの前提条件
まずこの前提条件が決まっていないと議論どころか不毛な言い争いになりかねません。
FXのスワップや株の配当、株主優待、売り禁(新規空売りの停止)等が絡めばその両建ては意味を持ったことになるでしょう。そしてそこに疑いの余地はありません。
しかし多くの議論の場で、これらは関係のないものになっています。
前提条件
- 株のデイトレードであること(デイトレゆえ以下は一切関係がない)
- FXのスワップ
- 配当狙い、売り禁、株主優待、逆日歩
この整理された状態で議論が行われればきっとスムーズになるかと思います。
損益という視点では両建てに意味は一切ない
「両建てに意味はない派」は必ずこれを言います。そして揺らぐことない事実なのです。
実際、100株買いを入れているところに100株の空売りをして両建てした場合、それは「ノーポジション」と同じ意味になります。買いの含み益が増えれば同額空売りの含み損が増えます。
仮に買いが200株、空売りが100株という両建ての場合も、「買い100株」と同義です。
あくまで「損益」という視点に限れば両建てに意味は一切なく、完全に無駄です。
これは「事実」であるため、「意味ある派」がいくら何と言おうとも「意味ない派」は一切動じず、この事実のみを突き付けてくるはずです。ただ、あくまで損益という視点に限りの話です。
意味ない派もきっと両建てに意味のあるケースを知っています。
デイトレの両建てに実際意味があるケース
「実際」と表現したのには意味があります。これは後述します。
デイトレード限定で空売りが出来るサービスを提供している証券会社があります。
松井証券のプレミアム空売り等のことです。
これらは手数料が高額であることが多く、複数回同一銘柄で空売りをするのは躊躇しがちです。また、返済買いをすると空売りの在庫がなくなってしまうケースも多々あります。
しかしもしもたった1回の手数料のみで何度も空売りすることが出来たらどうでしょうか。
1日を通して在庫切れにならず好きな時に空売りが出来たらどうでしょうか。
それならもっとプレミアム空売りを使いたいという人も多いのではないでしょうか。
これらは両建てを使うことで可能になるのです。
空売りを100株入れてある銘柄に新規買いを100株入れます。これは同一株数の両建てとなり、「ノーポジション」となるわけです。つまり言い換えれば空売りのリカク、もしくはロスカットと同義です。
しかし状況は100株ずつの両建てになります。
空売りの手数料が高額な会社の多くは、一日信用取引の買いは手数料が無料で金利まで無料のところもあります。つまり買いのデイトレであれば1日に何回行っても無料です。
もし、この両建ての状態から返済売りだけ行ったらどうでしょうか。
それはまた「空売り100株」という状態に戻ります。
つまり、「新規空売り100株」と同じ意味となります。
これを利用すれば、新規買いと返済買いを使うことによって空売りのリカク(損切り)と新規売りと同じことが出来るわけです。最初の1回に限り本当に新規売りが必要になるので1回分の手数料はかかります。
また、このやり方であれば最後のトレードになるまで「返済買い」を行わないので、空売りが在庫切れになることがないこともご理解いただけると思います。
このように「1回のプレ空手数料のみでプレミアム空売りを何回もしたい」場合と、「1回空売りの在庫を確保したら在庫切れになるのが嫌だ」という場合に両建てはとても大きな意味を持ちます。
プレミアム空売りがある松井証券は、比例配分で有利になることが多いです。
こちらも参考にして下さい。
比例配分ルールで優遇!デイトレなら絶対に松井証券を開設すべき理由
株式投資のデイトレードをする上で、複数の口座を開設すべきという話は以前に書きました。そして私のおすすめは楽天証券と松井証券ということも以前理由つきで書きました。 今回はその中でも松井証券を絶対に開設す ...
続きを見る
両建てをする意味が議論になるポイント
ここまで整理をしてみると、全く議論の余地はないように見えますよね。
そう、実際に議論の余地などないのです。損益的な意味は皆無であるものの、空売り手数料や空売り在庫のことを考えると大きな意味を持つ。これ以上でもこれ以下でもありません。
それでも議論になるのは感情論が絡むからです。
男女の喧嘩になると、男性は理屈っぽく、女性は感情を優先すると一般的に言われています。
このような形に似ています。
両建てをした場合、そのポジションを解消するためにもう1往復のトレードをする必要があります。もちろん現引き、現渡しを行えばその必要はないのですが。
自分の心に「必ず今日中にもう1往復トレードする必要がある」と言い聞かせることで勇気を奮い立たせる。こういう意味で両建てをしている人もいます。
これは非常にわかります。
実際スランプ気味になると迷いから手が出なくなってしまうこともあるかと思います。
半ば強制的にでもトレードせねばならない状況を作ることで躊躇からの脱却をしたいということです。
これはまさに気持ちの問題になるので、主張する側は大切な部分だと思います。
しかし無意味派からすれば「それはあなたの気持ちの問題ですよね」で終わってしまいます。
また、先ほど議論の余地はないと書きましたが、それでも「両方向で取るために両建てをしている」という人も時々います。これはもちろん理屈で間違っています。
整理して考えれば両方向で取るために両建てをする必要はありません。
ただ少し想像してみて下さい。
両建てから買いをリカクし、その後空売りもリカク出来るケースを。
確かにノーポジションでは出来ず、両建てだからこそこれが出来るように感じます。しかしこれは例えば先に買いがリカク出来る場合、空売りの含み損が膨らんでいるという事実を直視出来ていません。
結果的にこれがリカク出来るとしても、買いをリカクした時点では、リカク額と同等の含み損があるため、実際にはプラスマイナス0です。つまりここで空売りを1回するのと全く同じで、それだけのことなのです。(買いをリカクする時点までノーポジションでいたのと同じ)
つまり議論になるのは2点です。
- 感情論
- 両方向でリカク出来た時のことを想像すると思考が迷宮入りして間違った答えに到達
もし、このような議論に遭遇しましたら、この記事を思い出してみて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか。両建てに関する議論も整理すれば難しいことではありません。事実と感情、この両方をきちんと分別して考えることできっとスッキリすると思います。
今回の記事の内容はYouTube動画でも取り上げています。動画で同じ内容をご覧になりたい方はこちらをご覧下さい。