コツコツドカンは永遠のテーマだとこのサイトでも触れてきました。なぜ、多くの人がそれを理解しながら、直すことができないのか。それは人間の欲によるものだと書いてきました。
しかし、それは精神面のお話。今回は物理的に検証してみましょう。
今から書くことは、当たり前のことと言えば当たり前のことであり、冷静に考えると言われるまでもない、ということだと思います。しかし、このことをきちんと考えたことはほとんどないと思います。
私も2017年6月6日の前場、そこまでバブルのような相場だったのが、たった半日、昨日の上げ幅を指数が台無しにしただけで恐ろしいような相場になってしまったのを見て、きちんと考えました。
すると、コツコツドカンというのは、なるべくしてなっていたんだと強く再認識することが出来ました。強く意識することでもしかしたら直せるかもしれない、と思い執筆に踏み切りました。
こうして私自身も日々新しい発見をしながらトレードをしています。
もくじ
コツコツの性質を理解しよう
まず、コツコツの性質を理解します。ここからは完全に仮のお話ですが、ご自分の資金力と照らし合わせ、ご自分に置き換えて一緒に考えていってください。
- 100万円分のロットが基本
- 計画的にナンピンするため、最初は50万円分で入る
- ナンピンで50万円分用意する
- さらに下がった場合は50万円ずつナンピンを用意
こういう感じの方、多くないですか?ちなみに私もそこそこ当てはまる部分があります。実際、コツコツドカンで悩む人は、すでに素人レベルではないはずなのです。
なぜなら、コツコツ稼ぐことは出来ているからです。それはかなり勝率が高いことと推測出来ます。
ではなぜ、コツコツドカンで負けてしまうのか。この、上記のようなコツコツですが、100万円分のロットで入るのが基本ではあるものの、守りを固め、勝率を高めるために2回に分けた買いを選択。
つまり、自分の判断ミスも1度は許すような設定です。
それにより、指値が甘くなるようでしたら、今すぐにやめるべきですが、シビアに出来ているのであればこれはとてもいい手法だと思います。まぁ、時には、「どうしても買いたいけど・・・まだ早いんだよなぁ」という時に打診買いで使ってもいいと思いますが。
この設定ですと、自分がうまくなればうまくなるほど、毎回本当にコツコツになります。本来は100万ロットで行っていたはずが50万ロットなので、半分のロットですよね。
自分の判断が正しければ、そこから上昇してリカク出来るわけですから、今までの半分ずつしか勝てないことになります。もちろんその分、数をこなそうと頑張ればいいわけですが。
どうしても「コツコツ」になってしまうのはこういう背景がありますね。
ドカンの性質を直視する
上記のスタイルで考えます。コツコツ取っていたものの、判断ミスをしてしまい、飲み込まれてしまったとします。ここからどうなるのかまずは考えてみますね。
- 含み損になる
- 最初のナンピン発動
- かなり落ちたのでさらにナンピン
- またさらに落ちたのでナンピン
- さらに落ちてお祈りしながらナンピンを迷う
はい、こうなりますよね。これ、私はそこまで大きな問題ではないと思うのです。5番より前で反発するケースは多いですし、ここでは割愛しますが、ナンピン分はリカクという対処が出来れば十分勝てます。
この、ナンピン分はリカクという考え方は逆張り派で、ナンピンをするタイプにはとても重要な部分ですので、是非こちらの記事をご覧になってください。
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では、何が問題なのか。これ、よーくご自分に置き換えて考えて答えてくださいね。本当にズルなく正直に考えて答えてください。
2番まではOKです。計画ナンピンですからね。でも・・・3番の位置まで落ちる前に、ナンピンしませんでした??どうぞ考えてみてください、この状況を。自信のある2番までも飲まれた瞬間を。
チャンス!!!
と思いませんでしたか?いっぺんに買いませんでした?いっぺんではなくとも、少しずつ追加買いしませんでした?守るために分割買いにしたのに、急転直下攻めに転じませんでしたか?
これがあったとしたら大大大問題です。その場合、3と4の間でもナンピンするでしょう。
さらにもう1つお聞きします。この流れになっているということは、指数も暴落気味でしょう。
そこで・・・あなた・・・他の銘柄に手、出してませんか?そして上記と同じ流れを複数銘柄で作っていませんか?
コツコツドカンの性質を整理する
以上のことを整理しましょう。上記の流れになったとすると、4番の時点で、少なくともコツコツ時の4倍ロットです。さらに2~3番、3~4番の間をチャンスと捉えたのなら、8倍、10倍の可能性もありますね。
また、他の下落もチャンスと考え、複数銘柄で同じことをしていたら、ロットは全体で、普段の20倍近くに膨らんでいる可能性も否定できないと思います。
20倍は言い過ぎでも10~15倍程度は、指数の暴落があればかなりの頻度で到達するレベルだと思われます。そして問題は、ここからさらなる下落が待っている可能性も高いということです。
このことから、攻めの気持ちでエンドレスナンピンをしてしまうと、コツコツ時の10~20倍の速度で負けるという計算が成り立ちます。そしてそれは下落が止まるまで続くのです。
エンドレスナンピンの危険性についてはこちらです。
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含み益の10倍以上の速度で含み損が増え、しかも値幅も青天井(ロスカットするに出来ないから)とあって、もうドカンが止まりません。
精神的にどうこうだけでなく、このように冷静に考えると、ドカンというのはなるべくしてなっているのだということが理解出来ると思います。この性質を理解すると、「どうすれば勝てるの?」
とさえ思ってしまいます。ですから
- ナンピン分はすぐ逃げる
- 複数銘柄でナンピンはしない
- 指数悪化でとりあえずノーポジ
などなど、自分なりの改善策を考えていく必要があると思います。ちなみに私はナンピン分は極力平均単価以下でもいったんリカクで逃げることを心掛けてドカン率を下げています。
買値撤退も合言葉として大切です。
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まとめ
このように、よくよく考えれば当たり前のことですが、本日相場に向かっていて、「あ、だから負ける時はすごいスピードなんだ」「だからドカンやドンガラガッシャーンになるのか」
と思わされました。精神面だけでなく、こうして物理的に考えることが出来れば、このままでは避けられないということも認識し、改善することが出来るようになるかも知れません。
是非、自分なりの回避策を考えてみて下さい。