アドラー心理学をご存知でしょうか。私自身も詳しく勉強したわけではありません。ですからアドラー心理学を代表する著書がどれであるかを断定することも出来ません。
しかし『嫌われる勇気』というタイトルは多くの人が目にしたことがあるでしょう。
これは香里奈さんが主演でテレビドラマになりました。
セミリタイア(アーリーリタイア)についてや、デイトレーダーの生き方についても考えさせられました。他の記事と違い、かなり主観的な部分も入りますが、きっと良記事が書けると思います。
是非最後までお付き合い下さい。
もくじ
はじめに
この著書『嫌われる勇気』は、悩みを持つ青年と哲学者との対話形式で書かれています。
哲学者は青年に対して断言する形で多くを説きます。中には「納得出来ない!それはさすがにおかしい!」と言いたくなる内容もありますが、大体そこでは青年がそのように突っ込みます。
それに対して哲学者はさらに詳しく説いてくれます。
ですから問題が曖昧なまま進むようなことはありません。
実は私自身、ほんの少し読んだだけでお蔵入りさせてしまっていました。
今回、同窓会で長距離電車に乗ることをきっかけに読み進めていきましたが、読んで本当に良かったと思っています。多くの人の悩みは解決出来る著書になっていると思います。
特にデイトレーダーの持つ悩みは大部分が解決すると考えます。
内容について、感想を踏まえながらご紹介します。
変わる勇気を持て
この部分に関しては何度も触れてきました。人間はどうしても現状を変える勇気が持てません。
どんなに変わりたい、変わりたいと口にしても結局変われないという経験は誰にもあることでしょう。私も同じです。デイトレで勝てない頃はそうやって問題の先送りをしていました。
もはや変わらざるを得ないというタイミングがきてやっと変わったのです。
どちらにしろこのままではデイトレーダーを続けられない。欲を捨ててトレードスタイルを変えるか、就職をして生活スタイルを変えるかの選択に迫られ、やっとトレードスタイルが変わりました。
アドラー心理学『嫌われる勇気』でも変わる勇気について書かれています。
変わることが出来ない理由について
先に書きますが、アドラー心理学はかなり急所を突いてきます。私がいつも書いているような柔らかい言い方ではありません。ですが途中で読むのを止めないで下さい。何より自分が成長するために。
もしも〇〇だったらという可能性の中に生きているうちは変わることが出来ない
ロスカットさえ出来ていれば、ナンピンさえしなければ、もう少しロットを積めていれば、あそこで思い込まなければ、冷静さを失わなければ、などなどタラレバはトレードに付き物です。
しかしこれらは全て可能性の中に生きていることになります。
そしてこれらの言葉は自分の可能性を残したいという願望から出てくるものです。
つまり、ロスカットさえしなければ、ロットを上げられれば自分は大成功出来るかも知れない。
この可能性を残しておきたいのです。もしもロスカットを徹底し、ナンピンもせず、ロットもコントロール出来るようになっても勝てなかったら本当に絶望してしまいますよね。
ですから変わる決断をしないというものです。
正直心を見透かされたような文章が多いです。
確かにそうですよね。もう少し資金があったらやりやすいのに、という言葉も目にしますが、アドラー心理学に最も斬られそうな言葉です。資金が突然増えることはありません。
つまり実現不可能な中に自分の可能性を残す行為ということになります。
そうすることで永遠に自分の成功の可能性を消さない。
変わらないことを自分で決断しているわけですね、自分を守るために。
変わっても勝てなかったら
変わっても勝てなかった場合は絶望します。デイトレーダーとしての可能性が断たれる。そのくらい大きな絶望を感じることでしょう。ならばそんな決断はしたくない。
多くの人はこう思うでしょう。
私も例外ではなく同じであり、どちらにしても変わるしかないという選択に迫られたからこそ変われたに過ぎません。自分の力などではなく幸運だったのだと思います。
アドラー心理学では、変わっても勝てないのは絶望などではなく、成長のチャンスと言います。
「〇〇すれば勝てる」の〇〇部分が間違っていたことを知ることが出来るのだから。
言われてしまえば納得の内容だと思います。
変わっても勝てなかったとしたら、今までの思考が間違っていたことに気付ける。そして正しい答えを見つけるきっかけになる。だから絶望などではなくチャンスだということです。
とても刺さる内容ですね。
全ての悩みは対人関係
この部分は読んでいて非常に重く、現在の私にも非常に突き刺さる内容でした。
アドラーによると全ての悩みは対人関係によるものというのです。
私は当然最初納得がいかず、色んな反証を脳内で試みました。
しかしどんな反証も最後は対人関係につながってしまうことに気付きました。
デイトレーダーについて考えてみましょう。
デイトレーダーになるにはインターネット環境が必須です。ですからネットという世界に自然と密接になっていきます。トレード中にも暇になることはあるでしょう。
そんな時、多くのトレーダーはネットサーフィンをしたりSNSをするでしょう。
ブログなどでトレード日記を公開している人も多いです。
すると自然と他者の成績と比較するようになってきます。地合いが良い時は好成績を収める人も多く、そんな中で結果が出ていない人は焦りを感じてしまうものです。
仮に自分なりによく勝てたと思っても、他者の成績を見て劣等感を感じることもあるでしょう。
逆に負けていても他者の大負けを見て安心することもあるはずです。
自慢は不安の表れ
自慢もまた競争があるからであり、他者よりも優れていると思いたいがために自分を誇示するために行うものです。そういう意味では幸せになることとはかけ離れているものです。
誰かから認められたいという承認欲求につながりますね。
ですがそんなものは最終的に何の意味も持ちません。
大切なものを見失っているとも言えます。
自分の成績のみを意識する
どんな成績であれ、自分は自分、他人は他人と思い込もうとする人は多いです。それは正しいです。なぜならばその意識が徹底出来れば幸せに近付くことが出来るからです。
しかしほとんどは思い込もうとしているだけで実際には徹底出来ていないのです。
この部分に関しても以前触れたことがあります。
仮に他人が負ければ自分の資産が増えるというならばそう願うのもいいでしょう。他人が勝ったら自分が損をするというのであれば相手のミスを願うのも作戦の1つになります。
しかし残念ながらそんなことは自分の幸福に本来一切関係ないのです。
それなのに多くの人は他人の成績で自分の幸福度をアップダウンさせています。
これでは本当の幸せには近付けません。
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競争の世界から離脱する
悩みをなくすことで幸福に近付くためには競争の世界から離脱することです。裏を返せば競争の世界の中にいる限り本当の幸せ、本当のやすらぎは得られないということになります。
ここで断りを入れておきますが、私はアドラー心理学に陶酔しているわけでもなければこの考え方を押し付けるつもりもありません。あくまで刺さった内容の一部を、デイトレーダーにも刺さるであろう部分を紹介しているに過ぎません。ご了承下さい。
さて、競争からの離脱についてです。
前述したように他者の成績を気にしているうちは競争の感情があります。
本来競争すべきは自分の理想としている生き方、「理想の自分」であるべきであり、他者ではありません。
自分が欲しい額、勝ちたい額、つまり必要とする額を考え、他の感情を一切省き設定します。そしてその金額を達成出来れば他者がどうであろうと自分の幸せの度合いは変わらないはずです。
もちろん毎月達成する必要があるため、好調時には多く取っておきたいなどの感情は挟んでもいいと思います。
こうして競争の世界から離脱することは幸せになるために必要であるというのです。
私について
私も思い当たる節が多々ありました。いつの間にか他者との比較をしてしまっていたり、一人で勝手に焦ったりしていた部分もあります。弱い部分は参考にならないと思います。
ですから競争から離脱出来ていた時期を例に挙げます。
私は2016年、妻に家が欲しいと言われて以降、自身の言い訳を全て消しました。
2015年までは朝だけのトレードや午前中だけのトレードにしていました。そうすることで自分自身に伸びしろを残していたのです。ですからアドラー心理学の内容はズバリ図星です。
変わらない選択を自分でしていたのです。
「全力でトレードをしても変わらなかった」
この結果が怖かったのです。覚悟を持って2016年、大きな決断をしました。そしてトレード収益は2015年比で3倍近くまで伸びました。変わる勇気が幸運を呼び込んだのです。
2017年、経営していた学習塾の収益が悪化したことで新たにブログ事業を手掛けました。
これも自分の残された可能性の1つに賭ける行為でした。
そして今思えばこの2つの選択をした時、他者との比較は一切考えませんでした。正確に言えば考えている暇(余裕)などありませんでした。そのくらいハードスケジュールでした。
しかし、幸せでした。
なるほど、確かに競争という世界からの離脱は幸福に近付くのではないかと感じました。
セミリタイアという考え方
セミリタイア、アーリーリタイアという考え方が多くなっています。
これは定年退職年齢を待たずに現役を退き、自由を手に入れるという意味で多く使われます。
私自身も少々これに近い生活になっており、デイトレスタイルも2017年までよりも余裕を持ったスケジュールで行っています。しかし先日『嫌われる勇気』を読み、愕然としました。
私はまた自分に可能性を残す生活に戻っていたのだと感じたからです。
ただその数時間後、これでいいと思えるようにもなりました。
それは高校の同窓会で多くの収穫があったからです。同窓会については当ブログで書くことは適切でないと考えますので、トレード日記ブログの方で詳しく書きたいと思います。
良かったらご覧下さい。
好きなことをするために自由を手に入れる。そして自由であり続けるために余裕が持てる金額を若くして稼ぎだす、もしくは稼ぎ続ける仕組みを構築してしまうこと。
これがセミリタイア、アーリーリタイアです。
しかし落とし穴として、時間に余裕があまりにも出来てしまいます。急に暇な時間が増えます。考える時間も増えます。そうなるとどうしてもまた他者のことを考えるようになります。
そして自分はこんなんでいいのだろうかという疑問も持ってしまいます。
いつの間にか「生きる目的」まで見失っていたように思います。変な意味ではありません。単純に人生の迷子のようになっていたということです。
どんなに成功しても、成幸につながるとは限らないという意味がよくわかりました。
なにより成幸するために、常に目的意識を強く持つようにしましょう。
どのようなデイトレーダーになりたいか、今一度考える機会にして欲しいと思います。
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まとめ
いかがだったでしょうか。今度書籍を出版させていただく身ではありますが、私自身なかなか著書を読めない体質です。しかし『嫌われる勇気』は途中から止まらなくなりました。
デイトレーダーとしての考え方も深く考えさせられる内容でした。
そして何より生き方のヒントを多く得られるものでした。
是非お時間があれば読んでみて欲しいと思います。
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